「テクノロジーの解放で世の中を変えていく」を企業理念に掲げるHENNGE。同社は、Microsoft 365やSalesforceなどのクラウドサービスをより安全に利用するためのセキュリティSaaS「HENNGE One」を開発・提供している。ターゲットとなるのは企業の情報システム部門だが、そこに確実にアプローチできるメディアとして「ビジネス+IT」を積極的に活用している。なぜ数あるメディアの中からビジネス+ITを選択したのか。同社のマーケティング部門に話を聞いた。
HENNGEは、Microsoft 365やGoogle Workspace、Salesforceなどのクラウドサービスをより安全・便利に利用するためのセキュリティSaaS「HENNGE One」を開発・提供している企業だ。
導入企業数 約2700社で国内シェアトップを誇る同製品は、アクセス制御とシングルサインオンを実現する「Identity Edition」、メールやクラウドストレージからの情報漏えいを防ぐ「DLP Edition」、不審なメール/ファイルを発見・隔離し、標的型攻撃メール訓練も行える「Cybersecurity Edition」の3つで構成される。
同社は2019年10月、東証マザーズ(現:東証グロース)に上場したが、それと機を同じくしてクラウドを導入する企業も急増。クラウドセキュリティへのニーズの高まりとともに、同社のマーケティング部門には、より多くの見込み顧客(リード)の獲得が求められるようになった。
ただし、それは簡単ではなかったと、板垣氏は次のように振り
返る。
「HENNGE Oneはクラウドを導入している企業の認証・認可とメールセキュリティを担う製品であり、情報システム部門の業務の中でもニッチな分野となります。このため、我々がターゲットとする情報システム部門の方々に、なかなかリーチできないという課題を抱えていました」(板垣氏)
こうした状況下にあった同社は、世の中がコロナ禍にあった2021年2月、「HENNGE NOW!」というオンラインイベントを開催することになった。
HENNGE NOW!は、同社が情報システム部門のユーザーに学びの場や情報交換の場を提供する重要なイベントである。初のオンライン開催となる2021年2月の「HENNGE NOW!」では、マーケティング部門に重要なミッションが課せられた。それが「1万人集客」だった。
「1万人という集客数は、当時としてはかなり強気の目標でした。この高いハードルをクリアするために、試せることはすべて試そうということで、私たちが考え得るあらゆるメディアを使って集客を試みました。そして、そのとき最も集客できたメディアが『ビジネス+IT』だったのです」(板垣氏)
数多くのメディアを実際に試して得たこの結果を受けて、以後HENNGEでは「ビジネス+IT」を同社にとっての“重要メディア”と位置付けて、オンラインリード獲得プランの活用や各種セミナー・イベントへのスポンサー参加を継続している。
ビジネス+ITのリード獲得プランには、セミナーへの登壇やインタビュー取材記事、自社所有のホワイトペーパーを活用する施策など、さまざまなメニューが用意されている。特にビジネス+ITが企画するコンテンツについて、柳田氏はその印象を次のように述べる。
「企業が直面している課題の目線で、独自の面白い企画が多いと感じます。我々にとってはPPAP(注1)の特集がまさにそうで、PPAPだけで特集を組むメディアは他になかなかありません。その後、提案いただいたマンガについても『攻めた企画をするな』と感じました」(柳田氏)
ビジネス+ITではユーザー企業が抱える課題を深掘りし、興味関心を高めることで、質の高いリードの獲得および解決策となる製品のアピールへとつなげている。こうした企画力についても、柳田氏は高く評価しているという。
注1:パスワード付きのZIPファイルをメールで送り、パスワードを別メールで送信するファイル共有方法。危険性が指摘され、現在は多くの企業が代替手段を導入・検討している。
HENNGEでは、Salesforceを活用して外部メディアで獲得したリードから商談、受注までを追跡できる環境を構築している。そのデータを見ると、ビジネス+ITで獲得したリードはコンスタントに商談化につながっているという。
「あるイベントでは、費用対効果が1700%超と数十倍になったこともありました。その点でも、ビジネス+ITは、我々にとって重要なメディアなのです」(板垣氏)
もう1つ高く評価しているのが、獲得したリードをダウンロードする「リードダウンロードセンター」だ。リアルタイムにデータが更新され、複数人で利用できる点について、板垣氏は「非常に洗練されている」と高く評価する。ただし、要望もあると板垣氏は次のように続ける。
「現在は、オンラインイベントやリード獲得プランを利用していますが、今後はオフラインの企画にも期待しています。コロナ禍が明けて、リアルのイベントにも力を入れていきたいと考えているからです」(板垣氏)
同社は、2025年9月までにARR(年次経常収益)100億円を突破することを目標に掲げている。そのためには、より多くの企業の情報システム部門に、HENNGE Oneの価値を届けなければならない。「テクノロジーの解放で世の中を変えていく」ために、ビジネス+ITをさらに活用していく構えだ。
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1万人集客を進める中、複数メディアを
試した結果、最も集客力が高かったのが
ビジネス+ITだった。
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他メディアにはない独自の企画により、
ターゲットとする情報システム部門の顧
客に確実にリーチできるようになった。
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リードがリアルタイムに更新され、ダウ
ンロードも容易なので、最新情報に基づ
いた施策の立案につながっている
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