
経営層は普通のセミナーに参加しない? 意思決定者を動かす「エグゼクティブ・ラウンドテーブル」という勝ちパターン
「経営層・意思決定者にリーチしたい」
「しかし、通常のセミナーやウェビナーでは、なかなか参加につながらない」
「資料請求やウェビナーリードは獲得できても、最終的な意思決定者との接点がつくれない」
BtoBマーケティングの現場で、このような課題を感じている企業は少なくありません。
とくにIT・SaaS・セキュリティ・データ/AI関連サービスを提供する企業にとって、経営層・役員級・部長級との接点づくりは重要なテーマです。
しかし、経営層は単なる情報収集のために、気軽にセミナーへ参加するわけではありません。
情報はすでに足りていて、時間は何より惜しい。
自社の経営判断に直結しない話であれば、わざわざ予定を空ける理由がないのです。
だからこそ、経営層・意思決定者を動かすには、従来型の「集客」だけでは不十分です。
必要なのは、経営層が「これは自分が参加する意味がある」と感じられる、場そのものの設計です。
ウェビナーや展示会では接点化しにくい層に、どうアプローチするか
BtoBマーケティングでは、ウェビナー、展示会、ホワイトペーパー、メールマーケティング、インサイドセールスなど、さまざまな施策が活用されてきました。これらはリード獲得や認知拡大には有効です。一方で、経営層・役員級・部長級といった意思決定層に対しては、次のような壁があります。
- 一般的なセミナーでは参加動機が弱い
- 製品説明色が強いと敬遠されやすい
- 担当者層のリードは獲得できても、決裁者との対話につながりにくい
- オンライン施策では関係性の深まりに限界がある
- 経営課題として議論する前に、機能比較・価格比較に矮小化されやすい
とくにAI・DX・サイバーセキュリティ・データ活用・ガバナンス・リスク管理といったテーマは、もはや単なるIT部門の課題ではなく、 経営会議・リスク委員会・取締役会で議論すべきテーマになりつつあります。そうしたテーマで意思決定者と向き合うには、単なるセミナーではなく、経営課題を起点に対話できる場が必要です。

通常のウェビナーとエグゼクティブ・ラウンドテーブルの違い
鍵は「集める」ではなく、「参加する理由」を設計すること
ビジネス+ITでは、これまで金融・製造・流通・サービス・セキュリティ・DX・AIなど、さまざまな領域でエグゼクティブ・ラウンドテーブルを開催してきました。
開催を重ねるなかで見えてきたのは、経営層向け施策で重要なのは「誰を集めるか」だけではない、ということです。
むしろ重要なのは、以下を一体で設計することです。
- 経営層が自分ごと化できるテーマ
- 会いたい・話を聞きたいと思える有識者・ゲスト
- 参加価値が一目で伝わる招待状・LP
- 少人数だからこそ成立する進行設計
- 公開セミナーでは扱いづらい論点も話せるクローズド性
- 開催後に信頼形成を後押しするレポート化
つまりエグゼクティブ・ラウンドテーブルは、単に経営層を集めるイベントではありません。
経営層が時間を割く理由を、テーマ・ゲスト・参加者・進行・アウトプットまで含めて積み上げていく企画です。
金融テーマでは、その設計思想を次の4象限で整理しています。

エグゼクティブ・ラウンドテーブルとは何か
エグゼクティブ・ラウンドテーブルとは、経営層・役員級・部長級などの意思決定層を少人数で招待し、特定の経営テーマについて非公開で意見交換を行う場です。一般的な講演型セミナーとは異なり、参加者は一方的に情報を受け取るだけではありません。ゲスト講師、同じ課題意識を持つ他社キーパーソン、協賛企業、編集部のモデレーターが同じテーブルを囲み、経営課題を起点に議論します。そのため、次の4つの価値が期待できます。

経営層へのマーケティング効果 ― 意思決定層との関係を深める4つの価値
とりわけ開催後の二次活用は見落とされがちです。当日の議論は後日、開催レポートや編集タイアップ記事として発信でき、その場に参加していないターゲットにも議論内容を波及させられます。一度の場が、複数の接点を生むのです。
最新事例:金融経営層向けラウンドテーブルの設計
その最新事例の一つが、2026年7月30日(木)に開催した「金融DX & AIフォーラム 2026 夏 東京 エグゼクティブ・ラウンドテーブル」です。テーマは「生成AI/AIエージェント時代に、金融機関の経営は何を守り、どう活用を進めるべきか」。金融業界では生成AI・AIエージェントの活用が急速に広がる一方、データ保護・ガバナンス・サイバーリスク・復旧体制・説明責任は、IT部門だけでなく経営が判断すべき論点になりつつあります。そこで本会では、金融業界の担当役員・部長級を10名前後に限定し、少人数・特別招待制のクローズドな場として設計しました。

最新事例の企画概要
特別ゲスト ― 政策と専門知、両面からの示唆
デジタル・AI政策の第一線で活躍する平 将明 氏と、フィンテック・金融ITに精通する岩下 直行 氏。異なる視座から、金融経営に新たな問いを投げかけました。当日はゲストによるミニプレゼンテーションののち、参加者との意見交換へ。政策・実務・技術それぞれの視点から、これからのAI活用とリスクへの向き合い方を深く掘り下げました。

Guest 01
平 将明 氏
衆議院議員(8期)/前 デジタル大臣・初代 サイバー安全保障担当大臣
自由民主党 国家サイバーセキュリティ戦略本部長 ほか

Guest 02
岩下 直行 氏
京都大学 名誉教授/元 日本銀行 FinTechセンター長(初代)
金融庁参与・金融審議会委員 ほか(専門:フィンテック/金融IT/情報セキュリティ)
経営層が参加したくなる設計要素
今回の金融ラウンドテーブルでは、経営層にとっての参加価値を明確にするため、次の要素を前面に出しています。
1. 限定10名・少人数制
対象は金融業界の経営層・担当役員・部長級。定員は10名前後に限定しています。少人数だからこそ、単なる聴講ではなく参加者同士の意見交換が成立します。経営層にとっては「大規模セミナーでは話しづらいことも話せる場」であることが参加動機になります。
2. 政策×金融実務×AIリスクというテーマ設計
生成AI・AIエージェント・データ保護・サイバーリスク・復旧体制は、いずれも金融機関の経営課題です。今回の企画では単なるAI活用論にとどめず、政策・金融実務・技術の視点を交えて議論する構成にしています。経営層にとって重要なのは技術の詳細だけでなく、経営会議やリスク委員会で何を議論すべきか、どのリスクをどう捉えるべきか、どんな体制整備が必要かという視点です。
3. 有識者ゲストによる参加動機の創出
今回の特別ゲストには、前デジタル大臣・初代サイバー安全保障担当大臣の平 将明 氏、京都大学名誉教授で元日本銀行FinTechセンター長の岩下 直行 氏を迎えました。平氏にはデジタル・AI政策、サイバー安全保障の観点から環境変化について問題提起を、岩下氏には金融IT・FinTech・情報セキュリティの知見をもとに経営・実務へ引き寄せた論点整理をいただく設計です。政策と金融実務の両面から論点を提示することで、「この場でしか得られない示唆」をつくります。
4. 参加メリットを“経営者の言葉”で伝える
LPや招待状では、参加メリットを次のように整理しています。
- 政策・当局動向の先読み
- 経営アジェンダの整理
- 他社課題・論点の把握
- クローズドな実務討議
これは「ネットワーキングできます」「昼食付きです」といった訴求ではありません。経営層が知りたいのは、参加することで自社の意思決定にどのような示唆が得られるか。その一点を、経営者の言葉で端的に伝えています。
5. 過去実績による信頼感の補強
経営層向け施策では、過去にどのような企業・役職の方が参加しているかも重要です。ビジネス+ITのエグゼクティブ・ラウンドテーブルには、金融・製造・流通・サービスなど幅広い業界から経営層・役員級・部長級が参加。金融領域ではメガバンク・大手保険・証券・ネット銀行・カード会社など各業態のキーパーソンにご参加いただいてきました。過去参加者の肩書きや開催レポートを公開することで、新規企画ではなく実績ある施策として信頼感を補強します。
なぜ少人数・非公開が効くのか
経営層向けのマーケティングでは、大量集客が必ずしも正解ではありません。認知拡大や幅広いリード獲得が目的なら大規模セミナーやウェビナーが有効ですが、意思決定者との深い関係構築が目的なら、少人数・非公開の場のほうが適しています。理由は明確です。
- 参加者が発言しやすい
- 自社の課題に近い論点を扱いやすい
- 営業色を抑え、経営課題起点で議論できる
- 他社の問題意識を把握できる
- 参加後の個別フォローにつなげやすい
AI・DX・セキュリティ・データ活用・ガバナンスのように経営と現場の双方にまたがるテーマでは、単なる情報提供よりも「対話」の価値が高まります。ラウンドテーブルは、その対話を意図的に設計する施策です。
広告主にとっての活用メリット
IT・BtoB企業の広告主にとって、エグゼクティブ・ラウンドテーブルは単なるイベント協賛とは異なる価値があります。
リード数よりも、接点の質を重視できる
通常のウェビナーでは参加者数やリード数が成果指標になりがちですが、ラウンドテーブルでは10名前後でも経営層・意思決定層との深い接点をつくれます。量ではなく、質を重視した施策です。
経営課題起点で自社の存在意義を伝えられる
製品説明から入るのではなく、経営課題を共に考える立場として参加できます。そのため単なるベンダーではなく、課題解決のパートナーとして認識されやすくなります。
商談化前の信頼形成に使える
経営層との商談はいきなり提案から入っても進みにくいもの。議論を通じて課題認識を共有し、その後の個別相談や商談につなげられます。
開催レポートで二次活用できる
当日の内容は開催レポートや編集タイアップとして記事化が可能。参加者以外のターゲットにも議論や自社の視点を発信でき、ナーチャリング・ブランディングにも活用できます。
企画成功の5つのポイント
エグゼクティブ・ラウンドテーブルを成功させるには、「少人数で集める」だけでは不十分です。重要なのは、次の設計です。
1. テーマを経営課題に引き上げる
製品カテゴリや機能ではなく、経営層が判断すべきテーマに引き上げます。「バックアップ製品」ではなく「サイバーレジリエンス」、「AIツール」ではなく「生成AI時代のガバナンス」、「データ基盤」ではなく「経営判断に使えるデータ活用」。経営課題として再定義することで、参加対象が広がります。
2. ゲストを“集客装置”ではなく“論点設計者”として位置づける
有名な登壇者を呼ぶだけでは参加理由として不十分です。重要なのは、そのゲストがテーマにどのような視座を提供できるか。政策・業界知見・経営実務・技術トレンドをつなぐ役割を設計することで、企画全体の説得力が高まります。
3. LP・招待状で参加価値を端的に伝える
経営層向けの案内では、長い説明よりも「なぜ自分が参加するのか」が一目で伝わることが重要です。限定10名/特別招待制/非公開/経営層・部長級向け/政策×実務×技術/過去開催実績——こうした要素を明確に打ち出すことで、秘書・広報・部門担当者が経営層に上げやすい案内になります。
4. 当日の進行を“商談”にしない
最も避けるべきは、協賛企業の製品説明会に見えてしまうこと。参加者が求めているのは自社の経営課題に関する示唆です。協賛企業は売り込むのではなく論点提供者として参加することで、結果的に信頼形成につながります。
5. 開催後のフォロー設計まで含める
ラウンドテーブルは当日で終わる施策ではありません。個別フォロー・開催レポート・編集記事・営業連携・次回施策への展開まで設計しておくことで、施策としての成果を高められます。
少人数だからこその、近い距離での議論と交流
これまでエグゼクティブ・ラウンドテーブルは累計12回を重ね、金融テーマのシリーズだけでも全3回を開催。メガバンク・大手保険・証券・ネット銀行をはじめとする経営層・役員級にご参加いただいてきました。少人数・クローズドだからこそ生まれる、近い距離での率直な議論と交流の様子です。

過去開催の様子 ― 経営層・有識者による少人数ディスカッション

近い距離での質疑・登壇・交流
主なご参加者と、これまでの開催実績は以下のとおりです(企業名・役職は参加当時のもの)。

主なご参加者(抜粋・敬称略)と開催実績
まとめ:経営層を動かすには、集客ではなく「場の設計」が必要
経営層は、普通のセミナーにはなかなか参加しません。しかし、自社の経営判断に直結するテーマであり、信頼できる有識者がいて、同じ課題意識を持つ他社と少人数で議論できる場であれば、参加動機は大きく変わります。だからこそ、テーマ・ゲスト・招待状・LP・進行・開催レポートまでを一体で設計する必要があるのです。
リード数だけでなく質の高い関係構築を重視したい、経営層に自社の存在を認識してもらいたい、商談化の前段階で課題認識を共有したい——そうお考えの企業にとって、エグゼクティブ・ラウンドテーブルは、これからのBtoBマーケティングにおける有力な選択肢となるはずです。
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ラウンドテーブルとは? ビジネスでの意味・メリット・成功事例|エグゼクティブ層に刺さる活用法
